柊子がシングルマザー役で見せる、体当たりの演技が見物です。
また、テレビドラマ「科捜研の女」シリーズで活躍中の沢口靖子が、場面緘黙(かんもく)症の少女や、貧しさからいろいろな問題を起こす少年に寄り添い、共に生き、子供たちへの愛情を貫いた教師の役を演じます。
『校庭に東風吹いて』 は9年振りの映画出演ですが、科捜研に負けず劣らずの渾身の演技を見せてくれています。
また、場面緘黙(かんもく)症、という小児期特有の病に苦しむ娘、ミチルの子育てに悩む母親役は〝エンクミ”こと遠藤久美子。
そして、厳しい生活苦ゆえに』問題を起こす純平、の母親役を演じた柊子。
この二人の好演が見ものです。
原作の、柴垣文子さんは33年間もの間、小学校教員として勤められています。その体験による揺るぎない思いがこもった作品といえるでしょう。
是非、原作を読んでから映画を観られることを、お奨めします。
・場面緘黙症について
言葉は話せるし、意味も分かっているにも拘らず、社会的な場すなわち保育園、幼稚園や学校といった場所では声を出して話すことが出来ない症状です。
我が国では心因性の症状ととらえられています。
一方海外では小児期の不安障害で、恐怖症の一種と考えられています。
話している様子を、他人に聞かれたり見られたりすることに恐れを感じることによるものだと、とらえられています。
原因は、生まれつき不安になりやすい気質があり、そこにいろんな要因が影響していると考えられています。(この記述は「かんもくネット」を参考にさせていただきました)
私は幼少時に軽い言語障害があり、人前で喋るのがとても苦手でした。相手が一人か二人なら良いのですが、一対多の状況では発言できませんでした。
障害の具体的な例は、カ行の文字から始まる言葉がつまって出ない、というものでした。「こ」から始まる自分の苗字がすらすらとは発せられないのです。特に自己紹介が恐怖でした。
全く話せないというほどのことはなかったのですが、公の場では寡黙な子供でした。
60年前のことです。今の時代であれば、周囲の状況からして緘黙と判断されるかもしれませんね。
なので、ミチルちゃんの立場や思いが身に詰まります。
絶賛上映中です!
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