2016年9月15日木曜日

滋賀県東近江市「河辺いきものの森」に全国初の「薪」燃料の空調導入へ

東近江市建部北町にある「河辺いきものの森」のネイチャーセンターに、薪を燃料にする空調システムの導入が計画されています。

2001年に完成したネイチャーセンターには、灯油燃料の空調システムが導入されました。この設備が更新時期を迎えています。

河辺生き物の森は、鈴鹿山系の水を集めて流れる愛知川の中流域にあり、周囲は鬱蒼とした森です。近辺には里山や鈴鹿の山も控えており、間伐材の調達は容易い状況です。

市内には約20の市民団体が里山保全に取り組んでいます。しかし、間伐材の有効利用は、まだまだといった状況です。
このような現状から、間伐材を有効利用する観点から導入が検討されました。

木を燃料とする空調システムでは、木材をチップやペレット(粒)状にして使うのが一般的ですが、専用の加工設備が必要になり、導入コストが高くつきます。
そこで、燃料効率では劣りますが、薪は加工設備の導入せずに済み市民が調達できる利点を重要視し、薪のまま燃料として使える空調システムの開発を業者に委託することになりました。

来年度の完成を目指して、現在開催中の市議会に予算案が提出されました。そして、年内にも業者さんを公募されます。

現在のシステムでは年間約10万円かかっています。大幅な削減にはつながらないようですが、市は里山保全団体から薪を買い取り、活動を支援するほか、薪割や薪をくべる作業を子供たちに体験させ、環境学習への活用にも利用できると目論んでいるようです。

地方活性化が謳われて久しいですが、ひとつの設備を更新する機会にも地域の活性化につながる施策が検討されている市政に拍手を送りたいと思います。

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